しばらく前のテレビ番組で、お年寄りの技能者の方が「今の若い人には知識はあるが知恵が少ない}と嘆いておられました。 何かわからないことがあるとインターネットで検索して答えを探しますが、自分では考えようとしないで 結果だけ得ようとする傾向があるとのことでした。
たとえば例として 「三角関数の加法定理」 sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ があります。
数学の本にはこの数式からの派生として数十の数式が並んでいます。 今の若い方はそのすべてを記憶しようとし、出来ないのでインターネットで検索して調べます。
そのやり方ではなく、上記の数式ひとつを覚えておけば、多少の三角関数の知識さえあれば派生の数十の数式は簡単に導き出すことが出来ます。 そして丸暗記ではなくこのように順序だてて導き出すことにより、その数十の数式の意味を理解することが出来るわけです。
人の頭の中も、情報・データだけでなくそれを処理するアプリケーションを持っていないと、対応が出来ないあるいは間違いを生じるもとになります。