■近年、電子部品の微細化・環境問題による新たな材料を用いた はんだ付けにおける信頼性の確保が急務となっています。 アート電子でも、お客様より信頼性評価のご依頼が増え、 試作段階での はんだ付料の選定をされているお客様が増えてきております。 コストダウンでの材料選定から、特殊基板(ガラス基板・セラミック基板・フレキ基板等) の使用に伴う、品質安定の為の材料選定。はんだ付け接合部の品質・信頼性向上。 環境問題に伴う、無洗浄化など、お客様によって理由は様々です。
■特に条件が不安定となり、選定が難しくなってくるのは、 人の腕によって品質が左右されやすい、はんだごてによるはんだ。 やに入りはんだ(糸はんだ)の様です。 例えば、錫ー亜鉛系合金や、錫ービスマス共晶合金等のはんだは、線引きが難しかったり、 合金自身が酸化しやすく、またフラックスとはんだ合金が反応してしまうなどの 問題があります。したがって、錫ー銅系合金や、錫ー銀ー銅系合金等の融点が 210〜230℃のやに入りはんだを使用される会社様が多くなりました。 主要はんだ合金の特徴を、改めて復習をしておく必要があると感じました。
○Sn-Cu系合金
 Sn-Cu共晶合金(Sn-0.7Cu)は、Agを含まないことから、
 比較的安価であるが、共晶温度が227℃と高いため、
 主としてフロー用半だとして検討されている。
○Sn-Ag系合金
 Sn-Ag共晶合金(Sn-3.5Ag)は、使用実績もあり、 疲労等の機械的特性に優れている。
 しかし、 共晶温度が221℃と高い為、CuやBi等の第三元素を添加して 融点を下げた
 合金系の使用が検討されている。
○Sn-Ag-Cu系合金
 Sn-Ag共晶合金に、Cuを約0.7%添加すると三元共晶点が217℃程度に なることから、
 そのあたりの組成を用いたフロー、リフローへの 適用が期待されている。
○Sn-Ag-Bi系合金
 Biは低融点金属(融点:271℃)であり、Sn-Ag合金に含有させると、 融点を下げる
 ことができる。Bi添加量の増加に従って強度が高くなるが、 伸びが低下する為、
 Bi添加量には制限があります。
○Sn-Zn系合金
 Znは酸化しやすく、ぬれ性を阻害する元素であるが、 Sn-9Zn合金は融点が
 199℃と低く、Sn-Pb共晶はんだの融点より 10℃程度高いだけであるので、
 温度プロファイルを低く設定する 事が可能になります。しかし、酸化によるぬれ
 性低下が問題になるので、 材料面、環境面での管理が必要になってきます。
○Sn-Bi系合金
 Sn-Bi共晶合金(Sn-58Bi)は融点が138℃と低く、 従来から実装温度を高くする
 ことのできない 接合部で使われてきたはんだ材料です。
参考文献:マイクロソルダリング技術 社団法人 日本溶接協会マイクロソルダリング
      教育委員会[編]
     ソルダリングアート はんだ付け技術への新しいアプローチ 第五版 白光株式会社
     はじめての鉛フリーはんだ付けの信頼性 工業調査会 菅沼克昭[著]

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