■熱設計の基礎
○電子部品の実装における熱の関わりには、 実装時のはんだ付け加熱と実装後の電子
機器稼動時の電子部品の発熱に伴う温度上昇の2つがある。
○実装時のはんだ付け加熱では、全てのはんだ付け接合部を、はんだの融点以上で、
かつ、電子部品の耐熱温度以下に加熱し、はんだと基板との界面での適度なぬれ、
溶解、拡散現象により健全な接合部を形成させるための過熱が重要となる。 ○実装を行い、製造された電子機器はそれを駆動する為に電子回路に電流を流す。
導体材料に電流を流すと、ジュール発熱により電子部品の温度が高くなる。
電子部品の温度が高くなりすぎると、部品の特性変化や劣化、故障が生じる。
そこで、過度の温度上昇を防ぐ為に、熱をうまく逃がす様な実装構造とする事が重要となる。
■熱の伝わり
①熱伝導 :固体内部で熱を伝える
②熱伝達 :固体表面と流体との間で熱を伝える
③対流 :流体中で熱を伝える
④輻射(熱放射):固体の表面での電磁波の放射、吸収によって熱を伝える
■はんだ付け用の加熱熱源と温度上昇/はんだ付け加熱機器と熱利用の分類
○はんだ付けでは、適切な加熱温度範囲(温度と時間)があり、この温度範囲に加熱する
必要がある。
○過熱法は、熱源の温度をはんだ付け温度より高温にしておき、はんだがぬれる温度以上
で、部品が損傷を受ける温度以下となるように温度をコントロールする必要がある。 この為、1枚のプリント基板全体を加熱するのは難しく、 局所的に接合部を加熱して
はんだ付けを行うときに用いられる。
○漸近法は熱源の温度をはんだ付け温度程度にして、 熱平衡になるまで加熱する方法です。
熱の伝わりが遅い熱風(対流熱)、赤外線(放射熱)を利用した炉 (ホットエア炉、
赤外線加熱炉)がある。 この方式は、熱源の温度以上には加熱されない利点があり、
プリント基板全体の一括加熱によるはんだ付けに用いられる。
(1)伝導熱の利用:温度差のある物体内部の分子間で起こる熱の伝わり
○電気はんだ付け用こて
○浸せき浴(噴流、静止)
○抵抗加熱
○ホットプレート
(2)対流熱の利用:熱エネルギーを持つ流体の移動によって生じる熱の伝わり
○熱風
○(蒸気潜熱)
(3)放射熱の利用:電磁波の放射吸収による熱の伝わり
○赤外線(遠赤、近赤)
○レーザー
○光ビーム
■近年では、高多層・高密度実装化、搭載部品の多様化、特殊基板の流通による多くの
制約の中で、基板実装会社では、実装工程の効率化に向けた様々な取り組みがなされて
います。アート電子では、パターン設計・試作実装工程を持ち、様々な視点からお客様へ
ご提案をさせて頂いております。BGA接合部のはんだが溶けるか心配。放熱特殊基板
実装を初めて行う。はんだが上がらない。等あれば、 下記よりお問合せ下さい。
http://www.kaihatsu-support.com/category/1039155.html