RoHS指令についてのおさらい
RoHS対応が当たり前の時代となり、環境に対する意識が高まっております。 弊社としてもISO14000を無事取得致しました。 RoHSという言葉を一般的にも聞くようになりましたが、 新入社員さんへも説明ができるように改めて内容を確認しておきます。
■RoHS指令(ローズ指令)とは、人や自然環境が有害物質によって 悪影響を受けるのを防ぐため、特定の有害物質を電気・電子機器に使うことを禁止する規制のことです。
RoHSとは「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略で、日本語に訳すと「電気・電子機器における特定有害物質の使用規制」となります。
ヨーロッパではRoHs指令により鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、2種類の臭化難燃剤の六品目を
2006年7月1日から、電気、電子機器に使用する事を禁止する規制が始まりました。 この中でも特に電気、電子機器に使用する鉛入りはんだの規制が重要視され鉛フリーはんだ使用に よるハンダ付け技術の向上と安全性が要求されます。 はんだごてによるハンダ付けの場合、一般的にヤニ入りハンダを使用することが多いのですが、 ヤニ入りの鉛フリーはんだは製作上の問題で種類が限定されています。 例えば、Sn−Zn系合金や、Sn−Bi系共晶合金等のはんだは、線引きが難しかったり、合金自身が酸化しやすく、
また、フラックスとはんだ合金が反応してしまう等の問題があります、従ってSn−Cu系合金や、 Sn−Ag−Cu系合金等の融点が210〜230℃のヤニ入りハンダを使用することが多くなります。 そのため、従来の鉛共晶ハンダを使用するときに比べ問題点を認識し使用することが必要です。
■RoHS指令の罰則
罰金、販売した製品の回収、の2点はあります。 金額については具体的にはわかりませんが、罰則をうける企業への ダメージは小さくはないと考えられます。確実な対応を取る必要がある事は言うまでもありません。 感じて見える方も多いと思いますが、RoHS指令はまだまだとても流動的な指令です。 今後、どのような問題が発生し、罰則が行われるかは定かではありません。
■鉛(Pb)
含有させれば加工し易くなったりします。ただ、毒性も強いのがこの成分の特性。 小さな鉛入りペンダントを口にいれた子供が健康障害を起こした話などは有名です。 昔は口の中に使用する虫歯後の保護カバーに使用していました。恐ろしい事です。
■カドミウム(Cd)
真鍮(しんちゅう:銅と亜鉛との合金)などに含まれています。 腎臓に対して、機能障害を起こす恐れがある危険物質。 カドミウムの含有が、鉛に続き対応での問題となっていきます。
■水銀(Hg)
この有害物質による事件は忘れられないものになりました。 社会的な問題となった「水俣病」がそれにあたります。 農薬として多く使われたり、薬品の保存剤として使われたりと人の体内に入るキッカケも多く 使用方法を間違えるととても恐ろしい事件を引き起こします。
■六価クロム(Cr6+)
クロムにとして、酸化された六価や三価、又は金属クロムというものが代表的です。 対応にあたっては、この3つ知っていれば問題ありません。 この三価クロムや金属クロムは無害です。クロムが含有されている場合は詳しく調べましょう。
■ポリ臭化ビフェニル(PBB)
樹脂成型などで使われる難燃剤に含有される物質です。 塩素が臭素に置き換わった類似の構造を持つ物質です。 現在の日本の樹脂製品にはあまり使用されていません。
■ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
これも難燃剤に使用されることがあります。 金属から出てくるって事は今まで聞いた事がありません。 古い在庫を多く抱える企業では、入念な調査が必要です。
■中国版RoHS指令
中国で2007年3月1日に施行された、電気、電子などの製品における特定有害物質の使用を禁止した法律 (正式名称:中国電子情報製品汚染抑制管理弁法)中国版RoHsは、有害物質含有の有無の表示を義務付ける第一段階と、 有害物質の使用を禁止する第二段階からなる。