
日本の品質管理活動の特徴に『全員参加』がよく 挙げられています。これは歴史的な背景からうたわ れたものであります。社内で最終的に品質を保証 する検査実施部門の人だけでなく、会社トップ、 管理者、職場担当者に至る 全員が 検査実施部門 だけでなく 営業、技術、購買、製造、総務部門に 至る全部門が、また正社員だけでなく派遣社員、パート社員、など全職種の方々がさらに、関係 会社、部品メーカー、協力会社までの全員で品質 管理に活動に取り組むことが奨励されています。 活動に当たっては、活動目標の設定、必要な役割と 責任が明確にされ、各組織、各個人の役割と貢献の 方法が決められ、組織全体の協力の下に総合力が 発揮できる様に工夫がされています。QC、TQM 活動普及の過程で、これまで品質管理活動を意識的 に行なっていなかった各層や組織を如何に巻き込む かということで『全員参加』がある時期 キャッチフレーズとして使用されて来ました。 当初はそれで良かったのですが、参加というのは、 自由意志的な意味があり、今までは自分の仕事で ないものに取り組む、良いものなら取り入れようと いう 受身のニュアンスがありました。 また全員参加を促すために『小集団活動』や 『改善提案制度』により改善活動が導入された 経緯もあり、品質管理活動といえば 改善活動と 勘違いされる様になって来ました。 品質管理活動は、会社トップ以下従業員全員が 役割を担っており、個人の業務の中で同時に 取り組む内容であります。個人業務処理の後で 行なったり、まとめて品質管理活動をしても 改善効果は上がりません。 品質管理活動は『全員参加』というより 『全員の責務』で取り組むべき重要なテーマで あると思います。弊社ではこの様な考えで日々の品質管理活動を 進めております。