プロービングとテストピン | パターン設計開発支援サイト
デジタル回路の検証には欠かせないオシロスコープですが、
使い方によって正しくない波形が測定されることがあります。
その多くはプローブの繋ぎ方とテストピンの設け方に起因します。
短く引き出しても、
上手く波形が取れない時のチェックポイントを挙げます。
ポイント①:プローブを選ぶ
電圧を測定する電圧プローブだけでも多くの種類があります。
使い分けましょう。
・受動プローブ
20MHz以下の波形なら、受動プローブで測定出来ます。
受動プローブに書かれている抵抗値とコンデンサ値が
グランド間に接続された波形を見ていることを意識しましょう。
・能動プローブ
プローブが波形を増幅する機能を持ったプローブです。
高速の信号を見るものや差動プローブがあります。
ポイント②:能動プローブが正常に動作しているか
能動プローブは波形を増幅する機能を持つので、複雑な作りをしています。
設定や使い方次第で異なる波形が測定されます。
・キャリブレーションは出来ているか。
・プローブの入力範囲を守っているか。
・静電気等の外来ノイズで壊れていないか。
・プローブ間のスキューは補正したか。
ポイント③:測定点とグランドが近いか
高速な信号線や繊細な信号では、グランドは測定点付近から取ります。
ポイント④:プローブのグランドは短いか。
プローブには様々なグランドアクセサリーが付属していますが、
可能な限り短いものを使用するように心がけましょう。
便利な鰐口のアクセサリーは、1MHz位の波形でもかなり波形が劣化します。
また、能動プローブより受動プローブはグランド長の影響を受けやすい
仕組みになっています。
ポイント⑤:テストピンは贅肉
デバッグ時の作業を考えると、テストピンを大きくしたり、
作業性の良い所に引き出したくなりますが、
この誘惑に負けてはいけません。
テストピンは、
出す位置を絞り込み信号線への影響を最低限に抑えましょう。
<テストピンの害>
・配線容量が増す。
・配線長が長くなる。(配線面積が広くなる)
・不要輻射ノイズのアンテナになりやすい。
・反射が発生する。
・インピーダンス整合やシールドラインが崩れる。
正確なプロービングには手間がかかりますが、
不確かな波形を分析するよりはずっと波形評価が楽になります。
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