汎用深堀② チップ抵抗 後編 | パターン設計開発支援サイト

●1−3 精度,抵抗温度係数

精度は下記の等級があります。

±0.05% ← ±0.1% ← ±0.25% ← ±0.5% ← ±1% ← ±2% ← ±5% ← ±10% ← ±20%

汎用は厚膜の一般品を指し±5%が一般的です。


厚膜の高精度品は±0.5%,±1%が該当します。


薄膜は±0.5%より高い精度で使用されますが、

脆く高温高湿が苦手です。


抵抗温度係数は、

10Ωから1MΩの抵抗ならば、ほぼ±200ppmが一般クラスです。


抵抗温度係数はパッケージの大きさと電力に依存し、

同じ2012サイズなら1/ 8W品→±200ppm,

1/ 4W品→±400ppmの様な関係になります。


厚膜は±100ppm,±50ppmのクラスまであります。


それ以下の抵抗温度係数は薄膜で実現可能です。


なお、電流検出用抵抗として、

高精度,低抵抗,大電流に特化したチップ抵抗が

別にラインアップされています。


●1−4 電力と劣化

抵抗に直流の電流を流した際、電圧降下分の電力が発熱になります。


負荷軽減特性上は周囲温度70℃までなら定格電力100%まで

印加可能になっています。

ただ、

①放熱が追い付かない 

②抵抗本体温度が150℃以上に達し,

はんだ,基板,周辺回路が著しく劣化 の理由で、

部品の密集ブロックでは定格電力の30%,

非密集ブロック若しくは強制空冷可能な場合は

定格電力の50%を負荷率上限の目安にします。


放熱と寿命の懸念を無くすため、

可能な限り10%以下の負荷率に抑えます。


●1−5 サージ/パルス耐性と高電力品

抵抗は一瞬であれば定格電力を超えた過負荷状態を許容出来ます。


ただし、一瞬とは言え過負荷状態なることによって、

電気的ストレスや熱によって抵抗値変化や経年変化加速が発生します。


汎用品より静電気などのサージへ耐性がある抵抗を耐サージ品、

スイッチング電源のスイッチ部など連続したパルスへ耐性のある抵抗を

耐パルス品と言います。


また、耐サージ/耐パルス品は、過負荷状態の強度を高める過程で、

汎用品と同じサイズでもより大きな定格電力を獲得したラインアップが

出て来ています。

これらを高電力品と言います。



 
チップ抵抗の体系

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汎用深堀① チップ抵抗 前編 | パターン設計開発支援サイト

◆最初に

よく電子部品で”汎用”のキーワードが出て来ますが、

汎用の基準が分からないことがあります。


そんな時に一読して頂けば幸いです。


電子部品は素材が特性を左右するため、

”汎用”とは、素材の特性を生かして作りやすい

一般的なランクの意味を持ちます。


”汎用”以外は汎用から派生し、強化ポイントがあると考えます。


従って、”汎用”を理解出来ればそのカテゴリ全体像が分かります。

■1 チップ抵抗

●1−1 汎用の仕様

1素子のチップ抵抗の場合です。

パッケージサイズなど緩やかにトレンドが変化します。

詳細は使用する抵抗のデータシートで確認します。


[現在の汎用チップ抵抗仕様]

a) 抵抗体 ・・・ 厚膜

b) 内部電極 ・・・ 銀

c) 電力@Ta=70℃    サイズコード m:メートル,i インチ

   0.03 W(1/32W) : m0402(i01005)

   0.05 W(1/20W) : m0603(i0201)

   0.063 W(1/16W) : m1005(i0402)

   0.10 W(1/10W) : m1005(i0402),m1608(i0603)

   0.125W(1/ 8W) : m1608(i0603),m2012(i0802)

   0.25 W(1/ 4W) : m2012(i0802),m3216(i1206)

   0.5  W(1/ 2W) : m3225(i1210)

   0.75 W(3/ 4W) : m5025(i2010)

   1    W        : m6432(i2512)

d) 抵抗値 ・・・ 1〜10M E24

e) 精度 ・・・ ±5%

f) 抵抗温度係数 ・・・ ±200ppm


●1−2 厚膜,薄膜,銀,銀パラジウム,金

チップ抵抗の構造に関するキーワードです。


抵抗は抵抗体(抵抗本体)を挟んで、外部電極(パッド部分)があり、

抵抗体と外部電極を接続する内部電極があります。


抵抗体は厚膜と薄膜があります。厚膜が一般的です。
膜と言ってもカバーでは無く抵抗本体なので特性を左右します。

  厚膜・・・タフ,鈍感,うるさい

  薄膜・・・脆い,繊細,静かとイメージして下さい。


厚膜は、電気的,機械的そして耐環境面でもタフです。


薄膜は精度が高く温度係数が低い物を作りやすい特徴があります。


最後の”うるさい”と”静か”は、熱雑音の影響が出やすいかどうかで、

音響設備やセンサの場合静かなものが重宝されます。


内部電極は銀電極と耐硫化電極があります。


内部電極は特性,コスト面から銀電極が一般的です。

銀電極は硫化ガス*にさらされると腐食し(錆び)、劣化若しくは剥離します。


 * 硫化ガス  二酸化硫黄(化石燃料燃焼時),

  硫化水素(地ガス浸透,微生物の生分解時)


代表的な耐硫化電極として銀パラジウム電極と金電極があります。

耐硫化電極を採用した抵抗を耐硫化抵抗と言います。



 
チップ抵抗の体系

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バス・インターフェースの選び方 | パターン設計開発支援サイト

バス・インターフェースは、様々なデバイスやモジュールを接続するためのインターフェースで、

オリジナルから規格化されているものまであります。


バス・インターフェースを選ぶ若しくは構築する場合、まずは下記をチェックします。


a) 経路

   ① 基板上 ② 基板対基板のコネクタ接続 ③ ケーブル接続(ケース内)

   ④ ケーブル接続(ケース外) ⑤ 無線


d) ノード数と接続方法

   ① 1対1 ② スター接続 ③ チェーン接続


c) バスのマスター(ホスト)とスレーブ 

  ① マスター固定 ② マスターを固定しない


d) 通信速度


e) レスポンス


f)通信相手


g) 拡張汎用性


なお、通信相手が既存の場合、バスを選ぶ必要は有りませんが、

他の項目を確認してしないとデバイスや機構設計で矛盾が生じます。

●バスの適正


バスには設計思想があります。

下記のバスでカテゴリ分けしてみます。

PCI,PCI Express,I2C,SPI,PATA,SATA,RS232C,RS485,CAN,USB,Bluetooth,Ethernet,Wi-fi,

VGA,HDMI,DisplayPort


a) 経路

   基板(①or②)・・・ PCI,PCI Express,I2C,SPI     無線(⑤)・・・ Bluetooth,Wi-fi

   ケーブル(③or④)・・・ 上記以外


b) パラレル or シリアル

   パラレル ・・・ PCI,PATA   シリアル ・・・ 無線を除く左記以外


c) 採用される分野

   パソコン内部拡張:PCI,PCI Express

   パソコンストレージ拡張:PATA,SATA,USB(HS,SS)

   汎用的な機能拡張:I2C,SPI

   ペリフェラル拡張:RS232C ,RS485(産業),CAN(車載,産業),USB(PC),Bluetooth(IoT)

   ネットワーク:Ethernet,Wi-fi

   画像出力:VGA,HDMI,DisplayPort


d) 開発難易度

   ハード  難 ・・・ PCI Express,SATA,USB(SS),Ethernet(1000BASE以上),Wi-fi,HDMI,DisplayPort

   ソフト  難 ・・・ USB(ホスト),Ethernet(応答性や機能による),Wi-fi

●ライセンス,ロゴ認証,バージョン,デバイスID,電波法対応


バスは様々なデバイスを跨いで使うため使用時にルールが決まっているものがあります。

使うバスについて事前調査しておきましょう。


a) ライセンス

  有償,無償,規格団体への加盟などライセンス形態が違います。

  例) USB ・・・ フリーのライセンス

       HDMI ・・・ 製品毎に払う有償ライセンス


b) ロゴ認証

  規格に定められた機能や特性を試験機関が確認してパスしたことを示すマークです。

  USBの矢印マークのロゴが該当します。USBを示すマークではありませんので注意しましょう。


c) バージョン

  積極的に次世代規格の開発が続いているUSB,Bluetooth,Ethernet,Wi-fiなどは、

  様々なバージョンがあります。バージョンによって全く別物です。


d) デバイスID

  PCI Express,SATA,I2C,USB,Bluetoothなど様々機能を持つデバイスが接続されるのを

  前提としたバスの場合、デバイスを識別するためデバイスIDを持ちます。

  デバイスIDは、バスの規格団体が管理していたりルールを決めています。

  ルールに従って使いましょう。


e) 電波法対応

  無線で使用する電波は、周波数と強さに規制(電波法)があります。

  製品にする場合には認証を受ける(技適マーク=技術基準適合証明or技術基準適合認定)方法と

  認証済みモジュールを組み込む方法があります。

  実験的に使う場合でも、強すぎる電波は規制がありまので注意しましょう。

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様々なインターフェースを使いこなすには | パターン設計開発支援サイト

システムを開発する時、インターフェース設計が重要になります。

ただ、インターフェースとだけ言うと人によって様々ものを想像します。


  【インターフェースと言われるもの】

    a) TTL,CMOS,LVTTL

    b) USB,RS232C,RS485,PCIe,SATA,LAN,Wi-fi,HDMI,I2C,SPI

    c) キーボード,マウス 

   d) モニタ,LED 

   e) TCP/IP,通信仕様


インターフェースとは、情報をやり取りする時の切り口の意味であって、

やり取りする情報と情報の授受を行う相手によって求められるものが変わります。


上記のインターフェースを整理すると下記になります。


  【インターフェースの分類】

    a) 信号線のインターフェース 

      ・情報  デジタル/アナログの信号

      ・通信相手  デバイス(IC)間

    b) バスのインターフェース

       ・情報  任意の意味を持った一塊(バルク)の電子データ

       ・通信相手  モジュール間

    c) 操作部

       ・情報  システムへの入力

       ・通信相手  人間→システム

    d) 出力部

       ・情報  システムからの出力

       ・通信相手  システム→人間

    e) ソフトウェア・インターフェース

       ・情報  ソフトのデータ

       ・通信相手  ソフト間


これらの特徴を意識して使い分けると効率的な開発が出来ます。

意識するポイントは下記になります。


・信号線のインターフェースは、回路のみで他の規格に変換出来る。

  例) 5V CMOS → LVTTL  74LVCロジックを挟む

・バスのインターフェースは、規格によって通信バッファや通信プロトコルまで

  規格化されている場合がある。

  例) USB  エンドポイント(通信バッファ),通信方式,クラスドライバまで規格がある。

       RS232C  電気的な制約のみ、通信エンジンと合わせて使う

・バスのインターフェースは規格化されている範囲は広いほど互換性など保証出来るが、

  自由な開発が難しくなる。

  例) USB  既存のハード,ソフトリソースを使って開発出来る。

       RS232C  縛りが無くオリジナルハードを自由に開発しやすい。

・ソフトウェア・インターフェースは、どのハードインターフェースと組み合わせるかは自由

  例)インターネットはUSB,LAN,Wi-fiでも実装出来る。

・ソフトウェア・インターフェースは、処理に使う演算装置(CPUなど)で性能が決まる。

・ハードウェア・インターフェースやソフトウェア・インターフェースは、ライセンス 

 (使用料や著作料)が徴収されることがある。

・操作部は、マウスに始まりタッチパネル,モーション入力,音声入力などがある。

・出力部は、広い意味では音声やにおいも入る。表示にはLEDからモニタまであるが、

  視覚される情報量は膨大であり、システムの情報処理能力を左右する。

・情報端末においてディスプレイとマウスなどはほぼ一体であり、

  ユーザ・インターフェースと呼ばれます。

  例)Windowsのウインドウ

・表示部,操作部は、人とのやり取りを行う部分であり、ハードウェア,ソフトウェア両面で

  安全,静電気,操作ミスなどを意識します。

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基板レイアウトと熱 | パターン設計開発支援サイト

基板のレイアウトを考える際に忘れがちになりやすい

”熱”に関してです。

●基板レイアウト 3大要素


 基板の部品配置を検討する時

  ① 外的要因(機構設計,操作性,デザイン)

  ② 電気的要因(パターンの引き回し)

 をまず考えると思います。

 そして、

  ③ 熱的要因

 があります。

 ③の熱対策は回路設計者が中心になって対応が必要です。


●部品の熱に対する特性を把握する


 ただ冷やすだけの熱対策は、大きく重くうるさくなって

 コストも上がるのが普通です。

 力任せの熱対策にしないためには

 回路設計者が部品や回路の特性を把握する必要があります。

 まず部品やモジュールをグループ分けします。

 グループA:発熱が大きく,自身も熱に強い

   例)電力の大きな抵抗,チョークコイル,パワーFET

 グループB:発熱は大きいが,自身は熱に弱い

   例)演算能力の大きなCPU,アルミ電解コンデンサを使った電源

 グループC:熱いと故障しやすい

   例)アルミ電解コンデンサ,空冷ファン,HDD,フラッシュメモリ

 グループD:寒いと特性が劣化する

   例)アルミ電解コンデンサ,電池

 グループE:適温でしか動作させない

   例)二次電池

 グループF:放熱のための部品

   例)ヒートシンク,空冷ファン

 グループG:熱に敏感な部品

   例)センサ

●部品をレイアウトした際の相性を考える

  グループ分けした部品のレイアウト上の相性を考えて見ましょう。

  ・熱を出すものと熱が嫌いなものは離す

   発熱グループ)A,B,F  熱嫌いグループ)C,E,G

 ここで注意が必要なのがグループBです。

 グループBは自身も熱に弱いとなると他の予熱を受けたくありません。

 またグループFは熱風をばら撒くこともありますが、

 風上は熱の苦手な部品のオアシスになります。

ヒートシンク.jpg

●レイアウトの熱対策方針は単純


 グループ分けを完了すればレイアウトの方針はほぼ決まりです。


 ① 基板の向き,ケースのファンの位置及び吸い込み吸い出しを決める。

 ② グループAは自然空冷なら高く天井の開けたところ、

   強制空冷なら排気口付近に配置する。

    (熱を追い出し安い部分,逆に熱がこもる部分は厳禁)

 ③ グループBをグループA,Bから距離を取って配置する。

 ④ グループA,Bの冷却機構(グループF)を上昇気流や風道を考え配置する。

 ⑤ グループCはグループA,Bから離れた低い部分や風上に配置する。

 ⑥ グループCで故障の危険の高い部品やグループEは、

   他から風道を分けたり断熱材で隔離する。

 ⑦ グループDは冷気の還流する吸気口や排気口付近に配置しない。

 ⑧ グループGはグループA,B,F及び空気の流れが無く

   熱が蓄積しやすい箇所を避ける。

●レイアウトのタブー


 グループBの”発熱は大きいが,自身は熱に弱い”はとても扱いが厄介です。

 レイアウトのタブーはこのグループBを作り出してしまうことです。

 アルミ電解コンデンサを使った電源で分かる通り、レイアウトでグループAと

 熱嫌いグループC,E,Gを結びつけるとグループBが生まれます。

 基板のレイアウトチェック時には必ずこのタブーを犯していないか

 確認しましょう。

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回路設計者と難燃性 | パターン設計開発支援サイト

難燃性に関心の無い回路設計者の方も多い思いますが、

実は難燃性と回路設計は深い関わりがあります。


難燃性と言うと、基板のマーキング”UL94V-0”を

連想する方も多いと思います。


UL94V-0が何をしめしているかと言うと、

ULの定める個体プラスチック材料の燃焼性試験UL94V-0を

パスしたことを示しています。


個体プラスチック材料とは、

FR-4の基板の場合ガラス・エポキシを指してます。


ここまで読むとやっぱり樹脂=化学の話じゃないかとなりますが、

続きがあります。


見えないエネルギーである電気は、

当然ながら帯電や漏電があっても見えません。


この部分にうっかり触れると火花が散る危険があります。


この点から電気回路は難燃性が問われます。


燃焼性試験は数段階のグレード分けがあります。


            (良く燃える→燃え難い)

固体プラスチック材料

  UL94HB → UL94V−2 → UL94V−1 → UL94V−0 → UL945VB → UL945VA


薄手プラスチック材料  UL94VTM−2 → UL94VTM−1 → UL94VTM−0


発泡材料        UL94HBF → UL94HF−2 → UL94HF−1


電気回路に応じてこのグレードの使い分けが必要になります。

最後にコネクタ等で良く使われるナイロン66と言われる樹脂があります。


ナイロンより難燃性に優れており、

UL94V-2からUL94V-0まであります。


UL94V-1以上の難燃性を求める場合は注意が必要です。

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プロービングとテストピン | パターン設計開発支援サイト

デジタル回路の検証には欠かせないオシロスコープですが、

使い方によって正しくない波形が測定されることがあります。


その多くはプローブの繋ぎ方とテストピンの設け方に起因します。


短く引き出しても、

上手く波形が取れない時のチェックポイントを挙げます。

ポイント①:プローブを選ぶ


 電圧を測定する電圧プローブだけでも多くの種類があります。

 使い分けましょう。

 ・受動プローブ

   20MHz以下の波形なら、受動プローブで測定出来ます。

   受動プローブに書かれている抵抗値とコンデンサ値が

   グランド間に接続された波形を見ていることを意識しましょう。

 ・能動プローブ

   プローブが波形を増幅する機能を持ったプローブです。

   高速の信号を見るものや差動プローブがあります。


ポイント②:能動プローブが正常に動作しているか


 能動プローブは波形を増幅する機能を持つので、複雑な作りをしています。

 設定や使い方次第で異なる波形が測定されます。

 ・キャリブレーションは出来ているか。

 ・プローブの入力範囲を守っているか。

 ・静電気等の外来ノイズで壊れていないか。

 ・プローブ間のスキューは補正したか。


ポイント③:測定点とグランドが近いか


 高速な信号線や繊細な信号では、グランドは測定点付近から取ります。


ポイント④:プローブのグランドは短いか。


 プローブには様々なグランドアクセサリーが付属していますが、

 可能な限り短いものを使用するように心がけましょう。

 便利な鰐口のアクセサリーは、1MHz位の波形でもかなり波形が劣化します。

 また、能動プローブより受動プローブはグランド長の影響を受けやすい

 仕組みになっています。


ポイント⑤:テストピンは贅肉


 デバッグ時の作業を考えると、テストピンを大きくしたり、

 作業性の良い所に引き出したくなりますが、

 この誘惑に負けてはいけません。

 テストピンは、

 出す位置を絞り込み信号線への影響を最低限に抑えましょう。

 <テストピンの害>

  ・配線容量が増す。

  ・配線長が長くなる。(配線面積が広くなる)

  ・不要輻射ノイズのアンテナになりやすい。

  ・反射が発生する。

  ・インピーダンス整合やシールドラインが崩れる。


正確なプロービングには手間がかかりますが、

不確かな波形を分析するよりはずっと波形評価が楽になります。

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sin波形 | パターン設計開発支援サイト

sin波形

電子部品では直流から非常に高い周波数帯域迄仕様します。

電子部品は周波数の持つ性質を利用したり、逆にその影響を

受けにくい範囲で使用します。

“波”とは、空中・水などの媒体を振動が次々に伝わっていく現象で、

その形が波形です。

電気で取扱う波形には直流から複雑な波形まで無限のタイプがあり、

かつ周期性と非周期性の2種があります。

周期性のある波形には

 ・時間とともに振幅が変化する波形 ・周波数が変化する波形

があります。

時間とともに振幅が変化する波形には、

 ・振幅が周期的に変化する正弦波 ・振幅が不規則に変化する非正弦波

があります。

もっとも基本になるのが、正弦波、 sin波形(関数)です。

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伝送ラインの等価回路(l<

伝送ラインの等価回路(l<<λ)

伝送ラインの長さl(m)が入力周波数の波長λ(m)と比較して長い場合、

伝送ラインの等価回路は単位長さ当り、

直列に直流抵抗R(Ω/m)と浮遊インダクタンスL(H/m)が、

また、

並列に浮遊コンデンサC(F/m)と基板と設置間の絶縁抵抗である

コンダクタンス値(抵抗R:1/R=G(S/m)が一点に集中していると考えます。

これらは、伝送ラインの構造と物理的な寸法と単位長当りの値です。

この状態が“分布定数回路”です。

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分布定数回路の必要性 | パターン設計開発支援サイト

分布定数回路の必要性

回路解析には、使用する波長と配線長との関係から

“集中定数回路” と “分布定数回路”があります。


周波数が高くなるにつれ、

回路解析は集中定数回路から分布定数回路になるといわれていますが、

影響が出てくる周波数について議論できるのは、

導体の長さが決まっている場合のみです。

周波数の波長λ(m)と導体長さのLの関係が基本となります。


周波数が高いからだけの理由で“集中定数回路” が 

“分布定数回路”とはなりません。

導体の長さが決まっている場合、入力周波数が高くなると

電圧の振幅と位相の値が入力と出力で異なってきます。

この異なり方が、無視出来なくなり始めた周波数から

“集中定数回路” は “分布定数回路”として取り扱う必要が

出てきます。

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電子部品で取扱う波形の性質 | パターン設計開発支援サイト

電子部品で取扱う波形の性質

電子部品では、直流から非常に高い周波数域迄使用します。
周波数の持つ性質を利用したり、影響を受けにくい範囲で
使用したりします。

波とは、媒体中(空気、水等)を振動が次々に伝わっていく現象です。
その波の形が波形です。

電気で取扱う波形は直流から複雑な波形迄無限のタイプがあり、
かつ周期性と非周期性の2種があります。
周期性のある波形には、
・時間とともに振幅が変化する波形
・周波数が変化する波形
があります。

電子回路では直流から超高周波(約600GHz)迄を現在主として使用しています。


交流波形が30MHz以上になると高周波、
300MHz以上になると超高周波と表現しています。

波長とは、波が空気や導体の媒体を進行する時の1周期の長さです。
周波数の逆数が波長となります。

伝播速度をVopt(m/sec)とすると
真空中では Vopt(m/sec)≒3×10の8乗(m/sec)

1KHzの波長は約300Km,1MHzの波長は約300m,1GHzの波長は約0.3mです。


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シャーシへのアース接続 | パターン設計開発支援サイト

シャーシへアースを接続(シャーシアース)する主たる目的はノイズ対策です。

シャーシへ電流を流すとアースの電位が0〔V〕でなくなり、
接続されている配線相互間に電気的な干渉が生じ、ノイズ源の要因になります。

シャーシアースはシャーシとアースパターンを同電位にすることで、外部の雑音から
回路全体を遮蔽でき、自ら発するノイズを外に出さない効果もあります。

アースはグランドとも呼ばれますが、電子機器の金属ケース、シャーシ、信号の帰還経路
に使われる回路パターンなどへの接続は、正しくは“グラウンド”という用語を使い、
金属ケース、シャーシなどへは“フレーム・グラウンド”、
回路パターンは“シグナル・グラウンド”と呼び、グラウンドとアースを厳密に区別する
必要があります。

“グランド”は、電子機器の内部で「0Vの箇所につなぐ」という意味を持ち、
“アース”は、接地という意味で使用する事もあります。

組込みソフトウェア | パターン設計開発支援サイト

一般にソフトウェアの開発に求められるものは、
生産性、信頼性、可用性、再利用性、拡張性、移植性、保守性だといわれます。
組込みソフトウェアでも同じですが特に信頼性、保守性は非常に重要な項目です。
さらに組込みソフトウェアで「安全性」という項目が最近特に重要視されるようになってきています。


組込みソフトウェアに要求される仕様について

組込みソフトウェアの特徴は、以下のようなものが挙げられます。

 ・限られたメモリ容量、メモリ性能で動作しなければならない
 ・限られたMPU性能で動作しなければならない
 ・決められた時間内で動作しなければならない
 ・決められた時間に動作しなければならない
 ・リアルタイムで動作しなければならない
 ・ハードウェアに依存する部分が多い
 ・OSレスのものもある
 ・スタートアッププログラムが必要(PCのBIOS(Basic Inpu/Output System)に相当するもの)
 ・過酷な環境で動作するものもある
 ・自己診断機能(Diagnosis、Diagnostic)を持つ
 ・あり得ないエラーでもエラー処理を行う(想定外を想定する)
 ・除算(割り算)を使わない(割り算は時間がかかって使えない)
 ・汎用ライブラリを極力使わない(ライブラリがないこともある)
 ・終わらないプログラム
 ・mainのないプログラムもある
 ・volatile宣言を多用する
 ・ポインタ変数を多用する

ほかにもいろいろありますが、制限された環境の中でコンパクトに作られ、
正確に動作して頑丈であることが要求されます。

デジタルICの電源ノイズとデカップリング回路の必要性 (4) | パターン設計開発支援サイト

コンデンサだけで、高い周波数まで、広げようとすると別の問題が発生します。

それは、コンデンサの容量が周波数によって変わってしまう事と

共振点を越えた周波数帯域ではインダクタンス成分が現れてくる事です。

これによって、持っている自己の残留インダクタンス成分によって

L,C 共振が起こってしまうためです。

これを、防止する為に、コンデンサ間にフェライトビーズなどを入れる、

容量の間隔を10倍以内とする等の手法が有ります。

フェライトビーズは、挿入損失向上には有効なのですが、

インピーダンスを下げる効果は小さくなります。

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デジタルICの電源ノイズとデカップリング回路の必要性 (3) | パターン設計開発支援サイト

デカップリング回路として、コンデンサはノイズをGNDに落とす働きをします。

コンデンサには、容量(C)の他に寄生抵抗(ESR)及び寄生インダクタ(ESL)が有ります。

コンデンサのインピーダンスはCとESLの共振周波数f0=1/(2π(C・ESL)^0.5)

で最小となるV字型の周波数特性となります。

ノイズをGNDに落とす為には、インピーダンスは低くする必要が有りますが、

V字型の特性の為、一つのコンデンサでは、狭い周波数範囲しか対応が出来ません。

ノイズ周波数が特定出来れば、周波数に合った、容量を選定する事が大事です。

広い周波数範囲に対応する為、容量の違うコンデンサを組み合わせる事も有ります。

仮に容量が0.01,0.1,10μFを並列にした場合は、図1のように、範囲を広げる事が可能となります。

図1_0301.jpg
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組込みシステム、組込みソフトウェア | パターン設計開発支援サイト

ソフトウェアは、様々な種別があります。

ソフトウェアを分類すると以下のようです。

  汎用系  :PCを対象にしたソフトウェア (エクセル、ワードなど)

  Web系   :Webブラウザで表示されるページを対象としたソフトウェア

  組込み系:組込みシステム(自動車,携帯電話,家電製品…etc)を

            対象にしたソフトウェア

「組込みシステムって何?」


  パソコン、サーバ、メインフレーム以外でコンピュータ制御されている機器は

  すべて組込みシステムと言えます。


 ほとんどの電子、電気機器が組込みになります。


 人によって「それは、組込みソフトとはいわない。アプリケーションソフトだ」

 などという場合もあります。

 組込みソフトとアプリケーションソフトの違いは、以下に尽きます。


 ・CPU(または、MPU)を搭載したハードウェアがあり、

    そのハードウェアに何らかの入力があり、

  その入力を基に何らかのハードウェアを制御するもの。

 ・ハードウェアとソフトウェアが一体になって相互関連しながら動作するもの。

 ハードウェアとソフトウェアが相互関連していることが肝です。


「組込みソフトウェアって何?」


  組込みシステムの中に組込まれるソフトウェアが、

 組込みソフトウェアとなります。


 製品に組込まれたハードと1セットのソフトウエアです。


 開発言語は現在でもCが多いようですが、

 一部でJAVAが使われるようになりつつあります。


 OSは国産のITRON,CTORNが主流を占めますが、

 一部でマイナーなOSが使用されたり、OS自体がないこともあります。

パスコンとは | パターン設計開発支援サイト

・パスコンとは


バイパスコンデンサ(通称:パスコン)は、

電源とGND間に接続されてノイズを吸収する役目を持ちます。


コンデンサなので充電や放電をするわけですが、

ノイズ成分の山の部分を充電で小さくし、

谷の部分を放電で小さくするという事になります。


別の言い方をすると、

コンデンサは高周波が通過するので、

電源のノイズ成分をGNDに逃がしているという事になります。


電源回路には高容量(数10uF〜数100uF)のコンデンサが付けられますが、

それは主に電源の低周波変動を吸収するために用いられます。


高周波の変動ノイズを主に吸収するためには、

小さな容量(0.01uF〜0.1uF程度)のコンデンサを用いる事になります。


こういった小容量パスコンは、

ノイズ源に近い所に置かないとノイズ吸収効果が出ないため、

半導体デバイスの電源ピンごとに出来るだけ近くに配置するのが一般的です。


パスコンにはデバイスの電源ピン内のノイズを外部に漏らさない効果がありますが、

他のデバイスから漏れて電源に存在するノイズをデバイス内に入れないという効果もあります。


コンデンサについて | パターン設計開発支援サイト

一般にタンタル電解コンデンサは、通称「タンタルコン」とも呼ばれています。金属タンタル粉体を焼結して作成する為、電解質は固体化しており、

アルミ電解コンデンサのような電解液の蒸発による容量減少等の劣化が

少ない為、長寿命です。

タンタルコンの原理は、大容量を得るアルミ電解コンデンサに似ており、

高温条件化(焼結)で誘電体表面に二酸化炭素マンガンを析出させ空隙をうめ、

焼結帯表面に黒鉛を吹きつけた後、銀パラジウム等を用いて

電極を引き出した構造です。

一方、アルミ電解コンデンサは、アルミニウム電極の表面にエッチング処理にて表面に

微細な凹凸を作ることで、表面積を増大させた酸化皮膜を形成し、

更に、酸化皮膜表面に隙間なく対向する電極を密着させることが

困難な為、電解液を含浸した紙などを挟み、空隙を埋めている構造をしています。

用途として、タンタルコンデンサはアルミ電解コンデンサより

小型で周波数特性が良い為、電源平滑用やノイズ除去用の

バイパスコンデンサとして用いられています。

欠点として逆電圧に弱く、故障モードはショートとなる事が多い為、

故障が発生すると大電流が流れ、発熱、発火に至ることがあります。


VIDEO信号について② | パターン設計開発支援サイト

S端子信号 


アナログコンポジット・ビデオ信号は輝度信号と色度信号が

混ざっているため、テレビやビデオデッキで分離する信号処理の

必要がありました。 


分離する場合に縞模様の色つき現象を無くすために、

各社はくし型フィルタの技術にしのぎを削っていましたが、 

1987年に日本ビクターが分離したままの信号を送る形態の端子を 

S-VHSビデオに搭載しました。 


S端子は mini DIN 4ピンのケーブルとなっており、

Y(輝度信号)、C(色度信号)、GND(Y)、GND(C) となります。 


以降のほとんどの家庭用映像機器には、

このS端子がコンポジットビデオ端子と共に付いています。 


通常は、S端子が挿されるとコンポジットビデオ端子の入力信号は

使われない仕様になっています。

VIDEO信号について① | パターン設計開発支援サイト

VIDEO信号について 


Composite Video (コンポジット・ビデオ信号) 


アナログ映像信号を構成する同期信号、輝度信号、

色信号を合成して、1本のケーブルで扱えるようにした信号です。 


ケーブルは黄色のRCA端子が用いられます。


同時に送る音声信号用に赤と白のRCA端子が用いられ、

3本をまとめたケーブルをAVケーブルと言う事があります。

テレビジョンに用いられるコンポジット信号には、NTSC、PAL、

SECAMの3方式があります。 


モノクロコンポジット信号は、

輝度(ルミナンス)と同期(シンク)の2つの成分でできています。


この信号は、通常Y信号と呼ばれます。 


色度信号(クロマ)は、通常C信号と呼ばれます。 


輝度信号は電圧が高いほど明るく、

IRE(Institute of Radio Engineers)という単位でいうと、

NTSCでは白が+100IRE,黒が+7.5IREになります。 


同期信号とは、

テレビ画面に表示する時の横の走査(インターレーススキャン)の

戻り区間を示す同期パルスで、-40IREのレベルになります。 


色度信号は一定の周波数(NTSCでは3.58MHz)の信号であり、

同期信号のすぐ後にあるバースト信号を基準にした位相で色が決まり、

振幅が色の濃さになります。 


輝度も色も混ぜて一本の信号線で扱えるようにしたため、

テレビに映す時には輝度と色を分離する必要があります。 


単純な分離法は、色度信号の周波数だけを信号から抜き取る方法

(周波数トラップ)でしたが、 

その周波数になっている輝度信号も同時に抜き取られて色度信号と

して扱われるため、昔のテレビでは、

縞のネクタイに虹色が付くなどの現象がありました。

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