汎用深堀② チップ抵抗 後編 | パターン設計開発支援サイト
●1−3 精度,抵抗温度係数
精度は下記の等級があります。
±0.05% ← ±0.1% ← ±0.25% ← ±0.5% ← ±1% ← ±2% ← ±5% ← ±10% ← ±20%
汎用は厚膜の一般品を指し±5%が一般的です。
厚膜の高精度品は±0.5%,±1%が該当します。
薄膜は±0.5%より高い精度で使用されますが、
脆く高温高湿が苦手です。
抵抗温度係数は、
10Ωから1MΩの抵抗ならば、ほぼ±200ppmが一般クラスです。
抵抗温度係数はパッケージの大きさと電力に依存し、
同じ2012サイズなら1/ 8W品→±200ppm,
1/ 4W品→±400ppmの様な関係になります。
厚膜は±100ppm,±50ppmのクラスまであります。
それ以下の抵抗温度係数は薄膜で実現可能です。
なお、電流検出用抵抗として、
高精度,低抵抗,大電流に特化したチップ抵抗が
別にラインアップされています。
●1−4 電力と劣化
抵抗に直流の電流を流した際、電圧降下分の電力が発熱になります。
負荷軽減特性上は周囲温度70℃までなら定格電力100%まで
印加可能になっています。
ただ、
①放熱が追い付かない
②抵抗本体温度が150℃以上に達し,
はんだ,基板,周辺回路が著しく劣化 の理由で、
部品の密集ブロックでは定格電力の30%,
非密集ブロック若しくは強制空冷可能な場合は
定格電力の50%を負荷率上限の目安にします。
放熱と寿命の懸念を無くすため、
可能な限り10%以下の負荷率に抑えます。
●1−5 サージ/パルス耐性と高電力品
抵抗は一瞬であれば定格電力を超えた過負荷状態を許容出来ます。
ただし、一瞬とは言え過負荷状態なることによって、
電気的ストレスや熱によって抵抗値変化や経年変化加速が発生します。
汎用品より静電気などのサージへ耐性がある抵抗を耐サージ品、
スイッチング電源のスイッチ部など連続したパルスへ耐性のある抵抗を
耐パルス品と言います。
また、耐サージ/耐パルス品は、過負荷状態の強度を高める過程で、
汎用品と同じサイズでもより大きな定格電力を獲得したラインアップが
出て来ています。
これらを高電力品と言います。
チップ抵抗の体系
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- 伝送ラインの等価回路(l<<λ)
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